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ネパールの仲間へのインタビュー

●この仕事をして、一番嬉しいことは何ですか。

― 自分はタライ平野で育ち、これまで違うカーストの人と
接する機会はほとんどありませんでした。この仕事を始めて、
リンブー族、ライ族、タマン族、キサン族など、様々なカー
ストの子どもたちと出会い、生活を知ることができました。
子どもたちが自分を慕ってくれて、大きな家族のようで、と
ても嬉しいです。

●2016年で一番印象に残ったことは何ですか。

― 准獣医として活躍していた元奨学生のラクシュミ君が政
府の仕事を得たことです。彼は大変手の掛かる学生でした。
相談なく他校を受験したり、必要なものを急に言ってきたり
…今でもたまに当時のことを冗談でいっています。誇らしく
思います。

●奥地の村の子どもたちの教育に、何が必要だと思いますか?

― 身近にモデルがいて、もっと必要な情報が伝わればと思
います。どんな仕事があって、そのためにどんなコースがあ
るのか分かれば、自分の将来について考えることができます。
奨学生が仕事を得て活躍し、自分の道を歩んでいる姿は、大
きな意味があります。

●2016年を振り返ってどうですか。

― 皆様のご支援のお陰で、大地震の支援活動を継続することができました。本当にありがとうございます。被災者の方々は私た
ちのことをとても信頼しています。彼らはどんなに厳しい状況であっても、ささやかなことに日々感謝し、幸せを感じています。
シンプルな生き方から大切なことを学んでいます。

モーニング・スター・チルドレンズ・チャリティ(MSCC/養護施設)代表

牧師 

ラム・チャンドラ・ゴータム

有機栽培内部監査官 ユブラジ・ティマルシナ

奨学金コーディネーター バラット・バスコタ

●主な業務は何ですか?

― コーヒー農民は村のあちこちに散在しています。奥地の村
だと、山道を長時間歩きます。定期的に訪問してコーヒーの栽
培状況を確認し、ヒアリングをしています。畑の水不足が深刻
なので、今後協同組合で改善していけたらと思います。

●2016年で一番印象に残ったことは何ですか。

― ネパール大地震で被災して、なかなか私たちメンバー個々
の家の再建には至っていませんが、やはり、待望の協同組合の
建物ができることは大きなことであり、そのために、メンバー
全員が2日間に亘り集まり、話し合ったことです。

●シリンゲ協同組合の存在意義はどこにあると思いますか。

一昨年の2015年11月に、高地(バイラトン)に住む人々のた
めに、大地震で壊れた水道を復旧する工事を協同組合のメンバー
で力を合わせて実施しましたが、それ以後、その皆さんからも
とても感謝されています。力がなく、纏まりのない私たちですが、
それでも、ゆっくりと進化しています。これからも、コーヒー
の苗をメンバーに配布したりしながら、組織を改善して、農家
のためになり、安心安全な農産物を作って行きたいと思います。
そんな私たちを応援してくれる皆様に感謝しています。

ラム・チャンドラ
さんの教会も被災
し、危険な状況で
す。震災支援活動
が一段落した今、
近隣に建物を借り、
教会を移すことで
大忙しの昨今です。

●2016年で一番嬉しかったことは何ですか。

― MSCCの男子寮の建て替えができたことです。部屋の壁は子
どもたちが好きな色に塗り、2016年のクリスマスから暮らし始
めました。やっと安心できました。皆様のご支援に感謝いたしま
す。

●2017年は、どのような一年にしたいですか。

― MSCCの代表を3年務めたので、2017年からは妻と代表を交代し
ます。思春期を迎えた女の子が多く、これからの生き方に悩んでいます。
スタッフと共に見守っていきたいと思います。大地震の支援も引き続
き精力的に行っていきます。今年もご支援賜りますようお願いいたし
ます。

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