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ネパール活動報告≪福祉プログラム 教育・生活支援≫

フェアトレード事業推進をする一方で、その成功には次世代の人材育成は欠かせません。一人でも多くの
若者の選択肢が増えること、人間の尊厳が守られることを願い、首都カトマンズと東ネパールのインド国
境に近いドゥラワリにある養護施設を支援しています。また、カトマンズ、ビラトナガル、ビルタモードゥ、
ドゥラワリ、ダマックやフィディムで学ぶ子どもたちへ奨学金支援をしています。

Phase 1 紅茶農園の子どもたちの基礎教育支援

2002年に幼稚園から高校卒業まで全員が学校に行ける仕組み
を作り、13年間支援してきました。毎年150~200人の子ど
もたちが教育の機会を得ることができました。2015年度から
農園が全てを負担して続けています。

Phase 2 専門教育支援

紅茶農園KTEのSLC(高校卒業資格)合格後の子どもたちを中
心とする高等教育、職業支援として始めた仕組みです。少数民
族キサンの子どもたちも含まれ、運営はベルダレルネーヨ主体
で実施しています。

シタさんは化学の大学院に通っています。「卒業したら村に帰っ
て先生になりたい。村の役に立ちたいです」。頼もしくなりまし
た。スバラさんは会計を学んでいます。卒業後は銀行やINGO
で経験を積み、村に帰ってソーシャルワークの仕事をするのが
夢だそうです。「この奨学金がなかったら、ここまでこれませ
んでした。心から感謝しています。」と涙ながらに語ってくれ
ました。フィディムの村から徒歩4時間の奥地で暮らしていた

2人とも准獣医のコースを学びました。村々を回り、村人たち
に頼りにされています。ラクシュミ君は、さらに家畜の保険の
仕事もしながら、政府の仕事もしています。2014年に父親を
亡くし、その後結婚、子どもも生まれました。母親は病気で、
6人の兄弟に頼りにされています。2016年にはゴビンダ君も
経験を評価されて、政府の仕事を得ることができました。今ま
で以上に忙しくなりそうです。

卒業生

ゴビンダ君とラクシュミ君

奨学生

シタさん

(右)

とスバラさん

(左)

6か月の実地研修を終え、
看護師の卒業試験に合格し
たマンマヤさん。実地研修
では、注射や血圧測定、交
通事故の方のケアや、助産
も経験したそうです。これ
から病院でボランティアの

奨学生

マンマヤさんとバンダナさん

レントゲン技師のコースを卒業し、姉のニルマラさんが働いて
いる病院でボランティア(少しのお給料をもらっています)の
チャンスを掴みました。今は1日40人の患者さんを任され、
週3回の夜勤もあります。「最初は緊張しましたが、この4か
月でたくさんの経験を積んで一人でできるようになりました。
仕事への自信がつきました」と語るドゥルガ君。学生時代とは

卒業生

ドゥルガ君

超難関のスタッフナースにストレートで合格
しました。生活が厳しく、3人のお姉さんは
10年生までしか学校に行けず、早くに結婚

奨学生

ギタ・タマンさん

機会を探し、経験を積みながら、正規の仕事
のチャンスをねらいます。寝食を共にして学
んできたバンダナさん。専門は農業です。間
もなく実地研修が始まります。いよいよこれ
から。応援しています!

スバラさん。村の生活の大
変さは身にしみています。
必死に掴んだチャンスを逃
すまいと、努力を重ねてこ
こまできました。

全く違う表
情に驚きま
した。正規
の仕事を得
たいと必死
です。

しました。KTEで働く母
親は、末娘にはいい教育
を受けさせたいと必死に
育ててきました。この奨

学金がなかったら進学のチャンスはありま
せんでした。

(下)

(上)

(左)

(右)